墓石の定番「御影石」を正しくお手入れする
日本の墓石の大半は御影石(みかげいし)で作られています。硬くて耐久性が高い石材ですが、まったく手入れが不要というわけではありません。
適切なお手入れを行うことで、御影石の墓石を何十年も美しく保つことができます。この記事では、御影石の特徴と、色別のお手入れのポイントを解説します。
御影石とは
御影石は花崗岩(かこうがん)の一種で、マグマが地下深くでゆっくり冷え固まってできた石です。名前の由来は兵庫県神戸市の御影地区で多く産出されたことにあります。
墓石に選ばれる理由
- 硬度が高い:傷がつきにくく、風雨に強い
- 吸水率が低い:水を吸いにくく、汚れが染み込みにくい
- 研磨で美しい光沢が出る:磨くと鏡面のように輝く
- 色のバリエーションが豊富:黒・白・グレー・ピンクなど
主な産地
- 国産:庵治石(香川県)、大島石(愛媛県)、真壁石(茨城県)
- 外国産:中国産、インド産、南アフリカ産など
国産石は品質が高いとされますが、外国産も品質の良いものが多くあります。
御影石の汚れの種類
御影石は汚れに強い石材ですが、屋外に置かれる以上、以下のような汚れは避けられません。
- 黒ずみ:排気ガスやほこりが表面に付着し、蓄積する
- 水アカ:雨水のミネラル分が蒸発した後に残る白い膜
- コケ・カビ:湿気の多い環境で発生する緑〜黒の汚れ
- 鳥のフン:酸性のため、放置すると石材を侵食する
- 樹液:近くの樹木から落ちる粘性のある汚れ
色別のお手入れポイント
黒い御影石
黒い御影石は高級感がありますが、水アカ(白い汚れ)やほこりが目立ちやすいのが特徴です。
- 清掃後は必ず乾いた布で拭き上げる
- 水をかけたまま放置しない
- 水アカが蓄積すると白い膜になり、見た目が大きく損なわれる
白・グレーの御影石
白やグレーの御影石は、黒ずみやコケが目立ちやすい傾向にあります。
- こまめに水洗いをして、汚れの蓄積を防ぐ
- コケが発生しやすい部分(日陰・北面)は特に注意
- 黒ずみが薄いうちに清掃すれば、水洗いで落ちることが多い
ピンク系の御影石
ピンク系は変色が目立ちやすい石材です。
- 洗剤の使用は避ける(変色の原因になることがある)
- 水と柔らかいスポンジで優しく洗う
- コケの緑色とのコントラストが強いため、早めの除去が大切
基本のお手入れ手順
- 水をたっぷりかける:乾いた状態でこすると微細な傷がつく可能性がある
- 柔らかいスポンジで洗う:円を描くように優しく
- 彫刻部分は歯ブラシで:文字の溝に溜まった汚れをかき出す
- 花立・香炉も忘れずに:水アカやぬめりが溜まりやすい
- 水で洗い流す:汚れが残らないよう全体を流す
- 布で拭き上げる:特に黒い御影石は拭き上げが重要
やってはいけないこと
- 金属ブラシでこする:表面に傷がつく
- 酸性・アルカリ性の洗剤を使う:石材を溶かしたり変色させたりする
- 研磨剤を使う:表面のツヤを失わせる
- 高圧洗浄機を使う:水圧で石材を傷つけることがある
業者への依頼が向いているケース
御影石は自分でのお手入れがしやすい石材ですが、以下の場合は業者に依頼するほうが安全です。
- 長年の汚れが蓄積し、水洗いでは落ちない
- コケが広範囲に広がっている
- 遠方に住んでいて、定期的な手入れができない
- 石材のツヤが失われてきた
- 傷をつけずにきれいにしたい
まとめ
御影石は墓石に最適な石材ですが、色ごとに目立つ汚れが異なるため、お手入れのポイントも変わります。基本は水と柔らかいスポンジで十分です。
定期的なお手入れで汚れの蓄積を防ぎ、長年にわたって美しい状態を保ちましょう。